コラム
毎年、文系の大学受験生の中には、「現代文は苦手だから英語などで点数を稼ぐ方向で勉強する」という人も少なからずいます。
確かに、大学の配点によって現代文より英語の方を重視するところもあり、そういった大学では相対的に現代文の重要性の比重が下がってしまう部分があることも否定はできません。
しかし最近では全科目で平均的に得点することを重視する大学も多いので、現代文が苦手だからといって放置してしまうのはかなり危険です。
せっかく他科目で高得点をとれたとしても、現代文で足を引っ張ってしまい志望校に合格することができない可能性もあります。
現代文はまず読み方、次いで解き方を勉強していくことになりますが、ここでごく簡単にですが現代文学習のポイントや前提を確認しておきましょう。
多くの現代文の入試問題では、まず数ページ程度の課題文があり、それに関する質問(設問)に答える形式で問題を解いていくことになります。
ここで、「どうせ文章を読んでも変わらない」と言って、文章を適当に読み流して(場合によっては一切読まずに)すぐに問題を解いてしまう人もそれなりにいます。
しかし、課題文の内容の理解がなければ設問に対して的確に答えを出すことはできないと考えてください。
そして、ここでの「内容の理解」というのは、「0」(何も理解できない状態)か「100」(完全に理解できている状態)だけで測るものではありません。
今、課題文の内容を「20%」くらい理解できているのであれば、訓練して30%、40%…と理解できるようになっていくものです。
もちろん、「10行理解できたら10%理解できている」というようにはっきり目で見てわかる形で理解力を測ることができません(漢字書き取りや慣用句の意味を答えるなどの知識問題を除く)。
でもたとえば、小学校低学年のときの皆さんと高校生になったときの状態を比べれば、おそらく以前よりは難しい言い回しの文章でも理解できるようになっていると思いますし、語彙力も少なからず増えているでしょう。
そして当然そのような理解力の度合いによって点差が出るように入試問題は作られます。
したがって現代文は本文の内容をしっかり理解して回答するのが基本です。しっかり頭に入れておきましょう。
課題文の中でも、特に評論文(論理的な文章)には必ずテーマや筆者が言いたい主張があります。
そしてそれは、言いまわしを微妙に変えたり、根拠づけや具体例を挙げながら繰り返していることも少なくありません。
文章全体をつなげて考える癖をつけて読んでいないと、文章量に圧倒されたりその場その場の文の理解に終わってしまって結局筆者が言いたいことがなんなのか分からなくなってしまう、つまりただ目を通して読んだだけになります。
課題文全体のテーマや主張に関係する記述箇所は自然と設問で問われやすくなりますが、逆に「読んだだけ」だとそういった重要な箇所を理解していないということになりますから、これでは読む意味がほとんどありません。
ですので、テーマや主張を正確に把握する訓練は現代文学習の重要なポイントとなります。
今述べたようなポイントや、そのほか小説(文学的な文章)にも読むためのポイントがあり、そういったものは受験用の参考書などで勉強することもできます。
ただ繰り返しになりますが、理解力というのはなかなか簡単に測れませんので、自分で「このくらいできるようになった!」という判断がしにくく、どうしても独学が難しいのが現代文という科目です。
ですので効率よく現代文を学習するには、やはり塾の授業を受講してプロである講師の目から自分の実力を伝えてもらったり、学習のポイントを明確にしてもらうことが必要になってくるでしょう。
現代文は、満点を取るのは難しいかもしれませんが、しっかり勉強していればある程度の得点に達するのはそこまで難しくありません。そのため、捨てるにはすごくもったいない科目です。
また、入試本番で他科目の難易度が急に上がったとき、現代文の得点で合否が大きく変わってくるということも考えると、大学受験では現代文もしっかり勉強しておく必要があります。
高学館では、英語や数学といった主要科目だけではなく、現代文の授業も各校で開講しています。
塾外生のみなさんも、現代文学習に困ったときはぜひ高学館の門を叩いてください。