・「倒置」と「主述の一致」に関する問題。
英文を読むときは、SV をとりながら読んでいきます。
これは、文法問題を解くときも同様です。
SV を意識するというのは、日本語と仕組みの異なる英語という言語を理解する上で、最も基本で大事なことです。
このことを念頭に置いて問題文を分析してみましょう!
問題文は
Amongという前置詞で始まっています。
前置詞は後ろに名詞をとり、前置詞+名詞でひとまとまりの M(修飾語)と考えることが原則。問題文は、
Among the audienceが前置詞句で M(修飾語)となるため、文の主要素(S・V・O・C)にはなり得ないと判断できます。
引き続き SV を把握する意識を持って読み進めていくと次に空所があるため、空所には何が入るのかを考えることになります。ここで空所には、「 S になり得るものしか入らない」と考えてはいけません!
何事も一部分を見て全体をわかったつもりになるのは危険!常に「木を見て森を見る、森を見て木を見る」という中庸な精神が必要です。受験英語では、空所に入るものを考える際に、常に
空所を含む一文全体に目を向けてみることが肝要です。
本文に目を向けると、空所以降には、V(述語動詞)になり得るものがないことがわかります。
このことから、空所には V(述語動詞)になり得るもの、つまり
③ was と
④ were のいずれかと考えます。
本問の解答は、S が単数か複数かによって決まりそうですが、S になり得る名詞がないことに気付きましたか?名詞が
S になる条件は、文の最初に出てくる前置詞のついていない名詞であることだからです。
この条件を前提に考えると、空所の後にある
the president and her daughter という名詞が本文の S だと考えるしかありません。
すると、この S は複数なので、
④ were が正解だと判断することができます。
本文は〈SVM〉の第一文型を倒置した〈MVS〉という形になっています。「倒置」と聞くと、なんだか難しくて見抜くことができないと感じる人もいるかもしれませんが、この解説からわかる通り、
英語のルールに則って考えれば特別な力は何も必要ありません。
本問は基礎が応用へと繋がるいい例だったと思います。
受験生の皆さんは、目先の結果に一喜一憂せず、自己分析をきちんと行いながら学習していきましょう!